2004.03.07 – でか山車輪新調(黒仕上)



いよいよ最終仕上げです。ほこりがつかないように車輪の周りにはブルーシートがかけられていました。また、ほこりがつきにくいように車輪も立てて作業が行われます。



これで最後の仕上げということで作業もこれまでになく慎重に進められていました。パタパタ作業場所を歩いていると埃がたつので慎重にと注意されました。まったくごもっともで。



また、立てて漆を塗っているので漆が垂れてくるのにも十分な注意がされていました。本当はこの日の前日に作業が行われる予定でしたが、3 月には珍しく雪が降る程の気温でした。寒いと漆が乾かないということで、作業日を変更されていました。



歩くとほこりがたつので、ひたすら同じ場所からの撮影です。あまり視点が動かないので今回の写真は特に面白くないかも知れません。前日お伺いした時には全ての車輪が埃まみれでした。



仕上げの漆を塗る日にはそれらの埃が綺麗にふきとられていましたので、その作業だけで相当時間を費されたことと思います。私が到着した時には 1 本の車輪が綺麗に塗られていましたので、おそらく掃除だけで 3 時間ぐらい費されていますね。



仕上げの塗りが完成したものをご覧頂くとわかりますが、完全に鏡状態です。まだ塗りたてなので完全に乾いた時にはどうなるのでしょうか。楽しみです。そうこうしている間にも順調に漆塗りが進んでいます。

2004.02.21~02.26 – でか山車輪新調(上塗り)



今回は地塗りを磨き上げ、上塗り作業までをお屆けします。前回は地塗り を 5 回、上塗りを 2 回と紹介しましたが、工程が変更され、上塗りは 3 回になりました。



地塗りを磨くというお話は聞いていたのですが、どのように行うのか全く知りませんでした。作業内容を拝見したところ、サンドペーパーの目の細 かいもの(ウォーターペーパーと昔呼んでいました)で磨いていくようです。



プラモデルを作ったことがある人は御存じかと思いますが、ウォーターペーパーで磨くとツルツルになります。そのかわり、ほとんど削れないので作業が大変です。古い車を FRP 加工したものがありました。。



水を使いながら磨いていきますので、どこまで磨いたのかすぐにわかりますね。見た目ではほとんどわからないくらいの凹凸を削るので磨きながら手で表面をさわり、確認していました。



こちらはまだ磨いていないものです。漆を 5 回塗ったと言っても漆自体の厚みは 1mm も無いくらいなのでこれを磨くのは慎重になりますね。このような気を使う作業が延々と続きます。



1 本磨くのに時間にして 1 時間ぐらいでしょうか。それでも再チェックしていました。このような作業の末、鏡のような美しい表面に仕上がります。まだまだ作業はつづきます。

2004.02.07~02.18 – でか山車輪新調(地塗り)



ようやく漆が乗りはじめました。まだまだ地塗りの工程です。でか山の車輪では地塗りを 5 回。上塗りを 2 回。それぞれの工程で途中に磨きがあり、最後に外駒に朱の漆を塗るそうです。



このページで紹介している状態は、4 回の地塗りが完了した状態でした。もっと早く撮影に行っていれば良かったのですが。。幾分、御容赦下さい。こうしてみるとでか山の車輪らしいですね。



光の加減をみて撮影するとより美しく見えますね。車輪を円周方向に 6 分割して漆をのせているのがわかるかと思います。とくに技術というわけではなく、あまりにも車輪が大きいので手の届く範囲で塗っているそうです。このままテーブルにしてお酒とか呑むと楽しそう ^-^;;;



それで、中央の写真が新しい車輪の化粧リングです。ちょうど軸受のところに取付られます。車輪の軸の大きさも変るので化粧リングも新調されました。



続いては地塗り 5 回目です。ここから日程が違っています。ちなみに漆アレルギーの人は漆を塗っている近くに行くだけでかぶれるそうです。お気を付けて。



漆は乾く前はちょっと茶色っぽいですね。これを少しずつへらでとり、綺麗に塗っていきます。 5 層目ですが油絵のようにベタベタ塗っているわけではありませんので塗装厚さはほとんどありません。全神経を注いで漆を重ねていきます。

2004.02.11 – 材料出し



途中参加で申し訳ありませんでした。でか山各種材料の新調作業に伴い、古い材料の蔵出しが行われました。古い心棒もこれで見納めですね。何から何まで新しくなります。



まだまだ雪の残る中の作業になりました。ご覧頂ければわかるかと思いますが、印鑰神社横の山蔵(でか山材料保管庫)も車輪新調作業に伴い、工事が進められています。



市内某所の製材所に保管されていた部材を運びだします。よくもまあこんな狭いところに保管していたものだと関心しました。風通しが良く、直射日光に当らないので最適だそうです。引出された部材の重量が半端じゃないので、台車で移動します。



この日はお昼まで天候が良く、最高の作業日和となりました。人力ばかりでは作業が進まないので一部機械にも頑張ってもらいました。機械が入ると実に作業がスムーズですね。



ちなみに、書き忘れていましたが路面が凍結していてそれを溶かすだけでかなりの時間を費しました。こんな時期からでか山の作業をしたことがないのであらためて違う苦労を感じました。

ついで印鑰神社まで戻り、作業続行です。午後は一変して天候が不安定になり、雨風の中の作業となりました。皆さん、お疲れ様でした。作業も後わずかです。ちなみにこちらの常夜燈も片方が雨風のため倒れてしまっていたので、この期に新調されることになりました。今年は本当に何から何まで新しくなります。みなさんお楽しみに。

2004.01.09~01.16 – でか山車輪新調



さて、遅くなりましたが府中町でか山車輪の新調作業のご報告です。外駒が芯材にとりつけられた状態のもの、すでにチギリを埋め込まれたものがありました。



これからチギリを埋め込まれるものは外駒もまだ大まかにしか削ってありませんでした。これから綺麗な円になるように加工されていきます。チギリを埋め込む箇所にはドリルで穴があけられていました。



チギリの形状はひとつひとつ微妙に違うので、ノミを使って丁度いい大きさに掘られていきます。数も沢山ありますので、なかなか時間のかかる作業です。外駒と芯材をつなぐ箇所にもチギリが入ります。



近付いて見るとこんな感じです。外駒と外駒、外駒と芯材を接続する場所にチギリが用意されています。外駒同士を接続するのはちょうど外駒の中心に、外駒と芯材を接続するのは外駒の丁度中心に配置されます。埋め込みが完了するとこんな感じです。つなぎ目が見えないくらいビチッとしていますね。これだけの数があるのにさすがです。あまりにも大きくて図面を引くのも大変そうです。



チギリは埋め込む穴の深さよりも高く作られているので、埋め込んだ状態で車輪よりも 3 cm くらい浮き出ています。埋め込み終了後にひとつひとつ丁寧に削っているそうです。芯材と外駒の繋ぎ目は高さが違うのでノミで掘るのも技術がいりますね。



材料はコンクリートやプラスチックではないのでどうしてもどこかが割れていたり穴が空いていたりします。全ての材料がヒビ割れのないものが揃えば良いのですが、必要となる素材の大きさ、数が半端ではないため、補強して使用します。チギリが埋め込まれたものにつきましては車輪の表面を削る作業になります。一見単純そうに見えますが、直径 2m の車輪を平らに加工するのはやっぱり難しいですよね。

2003.11.15 – 大地主神社赤良柏祭



府中町限定のお祭りではありませんが、大地主神社関連ということで、遊びに行ってきました。残念ながら雨となりましたね。秋から冬へ向かうという意味でのお祭りだそうです。まさに季節の変り目の雨なのでしょうか。



大地主神社拝殿では各町氏子の代表者が集まり、宮司さんの祝詞を頂いています。「青柏祭」「赤良柏祭」と、共に「柏」を季節の変り目としております。これは、「柏」の木が森の全ての木々の守り神であることからだそうです。



そういえば、大地主神社の家紋も「柏」の葉で表されていますね。他の「柏祭」は京都の「北野天満宮」で執り行われております(青柏祭 6/10, 赤柏祭 11/30)。現在ではこの二社でしか行われていないようです。お祭りの歴史を考えるともっと大切にしたくなりますね。



さて、前置きが長くなりましたが、赤良柏祭に戻ります。祝詞に続きまして玉串奉納となりました。参加されておりました皆さんに奉納して頂きましたので、写真が大量にあります。これほど大規模な玉串奉納は初めてです。



写真が多いので、また与太話。結構マイナーだと思っていました赤良柏祭ですが、石川テレビさんが取材にいらしていました。本当に遠い所お疲れ様でした。私が映っているところがあったらカットお願いします(笑)。



写真を見ていて思い出しました。玉串を参拝者に渡していたのは宮司さんの娘さんと、息子さんですね。この後、非常に重要な役目を任されます。大変しっかりしていらして、びっくりしました。さてさて、玉串奉納も無事終了でしょうか。

2003.10.20 – 作事町えびす祭



毎年 10 月 20 日は作事町のえびす祭です。昔は作事町は魚を扱う商店で賑わい、かまぼこなどの水産加工工場がたちならんでいました。そのため、作事町では釣竿を持ち、鯛をかかえ、豊漁を象徴する恵比寿様のお祭りが年に 3 回行われています。



3 回行われる中で最も大きな祭りがこの 10 月 20 日のものだそうです。午後 5 時ぐらいから町内に御輿がまわります。この季節になると日が落ちるのも早いので、うす暗くなっていますね。



巡回した御御輿は作事町の丁度中間点にあたる市道 1 号線に面したお宅で仮宮として飾られます。えびす祭では西宮神社所属になりますので、印鑰神社の境内社ですね。御御輿の巡回が終ってから遊びに行ったので、すでに皆さん飲んでますが、御愛郷ということで。。



ということで、あっという間に後かたづけです。スミマセン。宮司さんから祝詞を頂きまして無事お祭りは終了です。また宮司さんから色々お話を頂きました。印鑰神社はすでに 5 回移転しているとのこと、境内社のお不動さんは神仏混合時代のなごりであることなどなど。。



話を戻して御御輿ですが、印鑰神社まで担いでいきました。結構楽しいですね。いつもは台車をつけて押しているので、お祭りらしく楽しかったです。



飾り、太鼓などを西宮神社にかたづけ、無事終了。ここでも宮司さんの祝詞がありました。細かな一つ一つの作業ですが、こうして文化、伝統が保存されているのだと思います。

2003.10.2 – 印鑰神社秋祭り



毎年 10 月 2 日は印鑰神社の秋祭りになります。春祭りと同様に印鑰神社から御御輿が出され、府中地内を巡回します。ただし、秋祭りではおめでたいことがあった家を重点的に周るようです。



午後 4 時ぐらいから出発したので少し薄暗くなっていました。御御輿も 相生町で U ターンです。ここから参加したので先の画像がありません。 スミマセンです。



コースだけ少しご紹介。印鑰神社~番伊~清水電機~食祭前~川渕~大手町~相生町。後は写真の流れを見て下さい。秋祭りでは、一軒、一軒の前で儀式があります。
春祭での各町単位の儀式とはちょっと違います。秋祭りは家族単位です。



相生町での休憩はジャスコ跡地でとられます。ここで、青柏祭で唄われる木遣り唄の一節で「上の七社に中七社、下の七社に印鑰こめて」とありますが、この 21 の社に関して色々なお話を宮司さんから頂きました。



その上の一ノ宮が印鑰神社であったこと、印鑰神社が以前は神仏混合の宮であったことなど、神社の書物に残っていることをお話頂きました。この話の続きはまた機会を頂いて詳しく紹介してまいります。



写真と文章がツジツマあってないですね。本題に戻ります。このころはすでに 4 時半ぐらいでしょうか。季節柄そろそろ日も落ちるくらいですね。橘町を大地主神社方面へ移動中です。ちがい堀で U ターンし、作事町へと入っていきます。どうやら各町内で 2 箇所ずつ御御輿が停車する家があるようです。

2003.7.5 – 互市祭



7 月は毎週なにかお祭りがあります。そのトップに府中町地内の「互市祭」が開催されます。奉燈(ほうとう)をかつぎあげ、町中をねりあるく祭ですが、夜中の写真は見づらいので昼に行われた行事のみを掲示しています。



互市祭では、浜通り、川淵、女良浜、七軒、作事町、橘町、相生町から奉燈が出されます。各町に御輿がまわり、御弊を渡します。その際には子供たちも玉串奉納をおこないます。



七尾は普段からこのように伝統に接することができる大変素晴しい町だと思います。もちろん気軽に参加出来る場面もありますので観光客の方もぜひ御立ち寄り下さい。
御御輿の休憩には七尾の特産である海産物加工品もお目見えします。七尾には派手な魅力はありませんが、一人一人の心、気持がなにより自慢できる町です。



互市祭で唯一「橘町」から曳山が参加します。以前は奉燈ではなくこの曳き山がメインだったそうですが、現在ではこの 1 台のみとなっています。また、作事町さんでミニチュア奉燈がありましたので写真におさめてきました。ミニチュアといえどもその完成度の高さはすごいです。作りかたまで本物そっくりにできていました。絵も本物とひけをとらない素晴しい作品です。

2003.8.25~8.26 – でか山車の新調



いよいよでか山の車新調作業が始まりました。場所は、皆さん御存じ?の造船会社です。やはり造船技術でつくられるんですね。大きさもこれまでの車に比べて 10cm 大きい直径 2m10cm になるそうです。



大きさもそうですが、部品の数も多いです。是迄使われてきたものは、3 層構造になっていましたが、今回の新規車は 2 層構造になるようです。それでも 2 層目の部品は各車あたり 17 コになるとのことでした。



数が中途半端なので、なにか縁起か伝統があるのかと尋ねたところ、単純に製作の段階で仕入れることができた木の大きさに合せて図面をひいたところ、この数になったとのことでした。ちなみに、上の右の木の板が図面 だそうです。。
2 層目の木のドアップ写真です。タバコと比べるとその大きさが一目瞭然ですね。これがまた重く、持った感じで 60kg 程度でしょうかね。



この日は、新しい車の 1 層目が全て造船会社に到着した日でした。ピカピカ光っているように見えるのは、表面にナイロン系のコーティングをしてヒビ割れ防止しているためだそうで、削ると普通だそうです。
もちろん人力で運ぶことは難しいので、車に備え付けられたクレーンをつかって工場内に運び込まれます。1 層目の重さは 1 t 強だそうです。ということは、完成すると車一つで 2t 近くの重さになりますね。。



クレーンから下された 1 層目の部品は挺子の原理をつかって転がしながら運び込まれました。ちょっとした手違いで大怪我しますので、皆さん慎重に作業を進めていました。
人の大きさと比べてもかなり大きいですね。新しい車が全て揃った場面にたちあえてとても嬉しかったです ^-^;;



工場内部での移動も、やはりクレーンで釣上げられて行われました。さすがに 1t は人力でコントロールするのは大変ですね。中央の軸穴にパイプを通し、パイプを釣上げる形で行われました。
工場内に運び込まれた後、車が転がり出さないように枕挺子をおいて固定していました。横に倒れたらどうするんだろう。。なんて恐いこともちょっと考えましたが、そこは人間の注意力でカバーということで。。